省エネ住宅は、2025年から新築住宅に断熱性を高めるなどの適合義務化が進んでいます。省エネという言葉を耳にすることは多いのですが、省エネリフォームはどのようにしたらよいのか、どのようなメリットがあるのかご存じない方もいます。 そこで、省エネ住宅へのリフォームを検討している方に向けて、リフォーム前に知っておくべき大切なポイントについてご紹介します。
省エネ住宅とは?
まず、省エネ住宅とはどういう住宅なのか、また基準や制度についてご紹介します。
省エネ住宅はどういう住宅?
省エネ住宅とは、エネルギー消費が少ない住宅のことをいいます。日々の生活で、冷暖房や給湯、また家電製品など多くのエネルギー消費をしています。とくに、冷暖房の消費エネルギーは全体のエネルギーの約3割にもなります。
この消費エネルギーを最小限に抑える住宅が、省エネ住宅なのです。
省エネ住宅の基準
消費エネルギーをどのくらい抑えればよいのかを示したのが省エネ基準です。省エネ法が1980年に制定され、住宅の窓や外壁の外皮性能の評価や、設備機器などの一時エネルギー消費量を評価するという2つの基準をクリアしている住宅が省エネ住宅と認められます。
省エネ住宅の制度
省エネ住宅は国をあげての政策になり、環境に優しい住宅にする際の支援制度があります。大きく分けると2つの制度があり、補助金制度と優遇税制があります。
補助金制度は、工事の一部を補助してくれる制度で、30万~50万円の補助金を受給できます。また優遇税制は、住宅ローン減税で一般住宅よりも多い、最大で500万円の控除が可能になります。そのほか、登録免許税や固定資産税などの軽減も優遇されます。
省エネ住宅のメリット
省エネ住宅は、多くのメリットがありますが、中でも主なメリットを3つご紹介します。
光熱費の削減
省エネ住宅は、断熱性と気密性が高い材料を使用することで、冬は暖かく夏は涼しくなるため、冷暖房を使用することが少なくなり光熱費が削減されます。無駄にエネルギーを消費することなく節約につながります。
さらに、太陽光発電システムを取り入れることで、消費電力がより抑えられます。
メンテナンスが減る
一般住宅は、外との温度差が原因で壁内結露が知らぬ間にできてしまい劣化が進みます。しかし、高断熱・高気密の省エネ住宅であれば温度差を少なくできるので、結露を防ぎ建物そのものが耐久性の高い住宅になります。
そのためメンテナンスが減り、品質の劣化も少なく、より安心して過ごせます。
自然災害に強い
太陽光発電システムや家庭用蓄電池を取り入れることで、自然災害に強い住宅になります。たとえば災害での停電時、雨の日でも10時間電気を使用できるシステムもあります。災害時に電気が使用できるのは安心感にもつながります。
万一のときに備えることができるのも省エネ住宅のメリットです。
省エネ住宅リフォームの大切なポイント
省エネ住宅リフォームをするときの大切なポイントは、断熱性・日射遮繭性能・気密性と大きく分けて3つあります。それぞれについて、詳しくご紹介します。
断熱性
外気の影響を受けやすいエアコンや壁、天井などに断熱材を補うことが大切です。断熱材は、熱の移動を最小限に抑える役割があるので、夏は涼しく、冬は暖かい室内をつくります。
効率のよい冷暖房でのエネルギー消費ができるようになるので、リフォーム時には断熱材を取り入れるようにしましょう。
日射遮繭性能
年々日本の夏は暑くなってきており、平均気温も上昇傾向にあります。とくに日中は窓からの日差しがあり室内に熱がこもります。日射遮繭とは、窓から入る日差しを遮ってくれることをいいます。
日射遮繭性能を取り入れることで、外からの熱が入らずエアコンの効きが改善されます。
気密性
住宅のすき間に外気が入り込んでしまい、室内と室外の熱が移動してしまうことがあります。これは「すき間風」と呼ばれていますが、二重窓の窓にして気密性を高くすることで、すき間を減らします。熱の移動もなくなり、部屋内の温度差が減少し、快適な住まい環境になります。
また、省エネ住宅は設備だけを入れて太陽光発電でたくさん電気を作り消費するのでは意味がありません。エネルギー消費をいかに減らす住宅にするかが大切なポイントです。